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【Project Dancho】〜団長リバイバル 其の弐拾壱〜

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    雨が冷たいですね。
    ども、団長です。

    さて。
    今回の「団長リバイバル」。
    前々から予告等々させていただいておりました、
    「久遠の彼方」について語りたいと思います。

    まずは聴いていただきましょうか。
    どうぞ。



    いかがだったでしょうか。
    それでは、ライナーに移りましょうね。
     
    この曲に関しては、ツイッターで細かく紹介してきました。
    周知のとおり、この曲の内容は「事実」を基に書かれています。
    ただね、あまり細かく書き過ぎると「個人情報」に抵触する恐れがありますので、
    その辺はお察しいただいた上で読んで頂ければ助かります。

    さて。
    この「久遠の彼方」を書いたのは94年です。
    「心はいつも友達」ライブが終わった後になります。

    歌詞に登場する「キミ」とは、おいらの昔なじみの友人でございます。
    ものすごい気さくで、いつもニコニコしてましてね。
    気遣い屋というか、とにかく誰かに喜んでもらうことがとても大好きなヤツでして。
    ホントに「誰からも好かれる男」とは、こういうことを言うんだなと。
    そんな男でございます。

    21年前になりますか。
    ひょっこり連絡がありまして。
    「結婚したい人がいてさぁ、たけっちにも紹介しときたいんだ」
    そう言うんですよ。

    んでね、実際に奥様にもお会いして。
    ホントね「相思相愛」と言いますかね。
    2人からにじみ出るような「幸福感」。
    お似合いのカップルでした。

    ホントね。
    うれしかったですよ。

    ヤツはですね、
    それまで「彼女」とか全く縁がなかったんですよね。
    世の中の女性陣はどこを見てんだってくらい。
    まぁ、そもそも本人も…
    「焦ってもしょうがないし、その気になればね」と笑うばかりw

    なんて言うんでしょうね。
    「見定め」というと語弊がありますが。
    とにかくね。
    すごくおしとやかな感じで、それでいて元気で明るい奥様をゲットしたわけですよ。

    これこそね「ビビビっときたんだ」と言って笑う2人。
    だって、曲にもありますとおり。
    「出会いはナンパ」ですw

    ヤツは声をかける前からずっとチェックしていたそうです。
    海水浴場で、偶然近くに陣取ったそうで。
    「ちょっと食べてみてー、(お弁当を)がんばって作ったんだよ〜」
    「わー、すっごいおいしい!!」
    なんて会話が聞こえてきて、友達とはしゃぐ姿を見て…
    「いいなぁー、かわいいなー」と思って、チラチラ見てたとw

    すると、その時に一緒にいた友人から、
    「オメぇさ、気になってんだったら声をかけてみたら?
     彼氏とかもいなさそうだしさ」
    と、焚きつけられたそうで。
    それでヤツは一念発起して声をかけてみたそうです。

    このときの状況をね、奥様曰く
    「ナンパされたの初めてで、ものすごいドキドキしたの。
     でも、なんだか(ヤツが)優しそうで、すごくカッコ良くて。
     チャラチャラしてなかったし、怖いって感覚はなかったかな」

    奥様もねぇ「ほのかに片想いの気になる男性」がちらほらいたらしいのですが。
    ヤツと出逢った瞬間、吹っ飛んだらしいですね。
    そ。
    ヤツは、奥様へ直撃弾を投げたんですからw

    もうね、それからの2人は意気投合だったそうで。
    「初対面という感覚はなかった」と口をそろえて言うんですよね。

    付き合ってから2年。
    奥様の家へもちょくちょく顔を出して、
    奥様のオヤジさんにもメッチャ気にいられてたそうでですね。
    と、いうのも。
    家に上がる時は、かならず「お邪魔します」とご両親にあいさつをしていたそうです。
    手土産がある時も、必ずオヤジさんへ手渡ししていたそうで。

    付き合ってた当時はまだ学生だったんすけどね。
    付き合い始めて1年半くらいで、奥様のオヤジさんから
    「もし、キミにその気があるんなら…結婚とか早いうちが良いと思うが」
    と言われたそうで。
    ヤツもね、その時にはっきりさせたそうです。
    「就職が決まって、収入が安定したら…また相談させてください」と。

    奥様へのプロポーズより先に、オヤジさんへ筋道を通した形ですよね。
    てか、ヤツはその時点で腹をくくってたんですよ。

    そんなこんなで就職も決まって、もらった給料に手をつけずに貯めたお金をはたいて…
    結婚指輪を買ったそうです。

    93年8月。
    奥様の誕生日にプロポーズ。
    そして結婚。

    とにかく、トントン拍子ですよ。
    おいらもね、結婚式に出席させてもらいましたが。
    こんなね、うれしい結婚式はなかったですよ。
    ホント、最高でした。

    ほんで、「WITH」のライブにも2人で応援に駆けつけてくれましてね。
    93年の「Starlight Fantasia」ですね。
    でね、翌年の「心はいつも友達Live」にも絶対行くと。
    約束してくれてまして。

    そう。
    約束してくれてたんですが。。。
    94年の9月。

    ヤツは帰宅途中に事故にあってしまったのです。
    横断歩道をわたっていると、猛スピードで赤信号を突っ込んできたクルマがいましてね。
    すると、ちょうどその時に後ろ向きで「バイバイ」しながら横断歩道を渡ろうとする小学生がいたそうで。
    突っ込んでくるクルマに全く気付いてなかったそうで。
    ヤツがとっさに小学生を押すように駆け込んでしまったと。
    小学生はヤツに押されたことで転倒し軽傷で済んだのですが、ヤツはモロにクルマに跳ね飛ばされ頭から落下したそうです。
    クルマの運転手は「飲み会に遅れていた」とのことで、
    ケータイのメールを打ちながら運転していたそうで。

    夕方からものすごい土砂降りになった日でした。
    おいらね、ライブに向けて曲のデモを作ってたところだったんですよ。
    今もね、良く覚えてます。
    その時にデモを作っていたのが「SWEET HEART」でした。

    ちょうど作り終わったくらいだったですかね。
    奥様から連絡を受けて。
    なんだろ?って。
    声が泣いてるし、まさか「別れた」とかじゃなかろうね…と思っていたら。
    ヤツが死んだと。

    呆然としましたね。
    もうね、悔しくてたまんなかったですよ。
    葬儀の時に少し話ができまして。
    奥様が病院へ駆けつけると、まだヤツの意識はあったそうで。

    ヤツは涙を落しながら、奥様へ「ごめん…」と言ったそうです。
    それが最後の言葉だったそうです。

    実はこのとき、奥様は妊娠していまして。
    時として運命は、とんでもない方向へ状況を動かしてしまうもんだと。。。

    その後。
    奥様が少し「うつ」を患ってしまいまして。
    お腹の子に影響が出ないか、周囲も心配していたんですね。
    49日法要の時。
    奥様に会ったとき「リスカ」の痕跡が見えてですね。。。

    痛々しかったですね。
    気持ちを考えると、いたしかたないのかなって。
    それでも、なんとか立ち直ってほしいと。。。
    ヤツは「子供が生まれるのを楽しみにしていた」んです。
    なので…
    「おなかの子をヤツに見せてあげてな。
     きっとさ、あいつ喜ぶと思うよ」
    とだけ伝えました。
    奥様はうなずくだけでしたが。

    そして、ライブが終わってから少しして。
    「子供が生まれた」と連絡をもらったんですね。
    元気な男の子です。

    奥様も少し吹っ切れた表情をしてまして。
    病院の窓から外を見て…
    「ねぇ、たけさん来てくれたよ〜。
     この子も一緒だよ〜。
     ほら、スリーショットだよ〜」てね。
    もうね、泣いちゃいけないんですけど、涙が止まんなかったですね。

    このときに、奥様から意外な申し出がありました。
    「私、元気にやってるよって。
     たけさんからも伝えてくれませんか、歌にして。
     たくさんの人に聴いてもらえたら、
     あの人がたくさんの人の記憶に残れるような気がする…」と。

    そこでね、出来上がったのが、この「久遠の彼方」の原型なのです。

    ただ、ライブは終わってしまってましたし、
    95年のライブは未定でしたし。
    バンドとして集まれる状況でもなかったんですね。

    なので、弾き語りのデモだけ作ったんですね。
    先ずはそれを渡しました。
    奥様は号泣しながらも喜んでくれました。

    でもなぁ、
    「たくさんの人に聴いてもらえる」というリクエストに応えてなかったんですね。
    するとね、その後「Nervous Age」の開催が決まりまして。
    なんとしても「久遠の彼方」をやりたいと。
    あと、無料配布する「デモテープ」にも収録したいと。

    リーダーにね、弾き語りのデモを聴かせまして。
    ボロ泣きしながら「絶対やろうよ」と言ってくれました。

    ライブで、リーダーは曲前のMCでこんな紹介をしました。
    「今から演奏する曲ですけど…
     ホントはね、ここに来て、皆さんと一緒に…
     ライブを楽しんでいたはずの方への大事なメッセージです。
     皆さんにもしっかり聴いてもらって…ね。
     メッセージを伝えた証になってください。
     聴いて下さい…久遠の彼方」

    おいらね、泣きそうになりましたねw
    いや、多分泣いてましたね。。。

    こうして無事、「久遠の彼方」をライブで披露することができました。

    さて、この時。
    会場で配布した「デモテープ」には「久遠の彼方」が入ってませんでした。

    と、いうのもですね。。。
    「機器トラブル」が発生したのです。
    何度も何度も演奏して、OKテイクがいくつも出るんですけど。。。
    ノイズが入りまくってですね。
    他の曲は全くの絶好調なんですけど…
    この「久遠の彼方」だけ、「ジャリっ」「ブぴ〜ブ〜」という、
    コードプラグをイジった時のようなノイズ。
    アレが入りまくってるんですよ。
    それもどのトラックパートにも。

    どうしようもなく、泣く泣く収録をあきらめたのです。

    その代わり言ったらアレですが。
    奥様へは収録したライブ映像をお送りしました。

    今もね。
    大事にされてらっしゃいました。

    ほんでね、
    「久遠の彼方」は「思い出」として、そっとしておくつもりだったんです。
    なので「リバイバル」であげるつもりはありませんでした。
    が。
    「リバイバルVol.17」の記事にコメントでリクエストをいただいたんですね。
    う〜ん、正直悩みました。
    「いいんかなぁ。。。」と。
    とりあえず、お墓参りも兼ねて久しぶりに奥様とお会いしました。
    するとですね。
    「今だに…あの曲のことを覚えてらっしゃる方がいたなんて」
    と、涙ながらに驚いておられましたね。
    そして
    「とてもありがたい話で、是非ともお願いします」と了承をいただきました。

    おいらもね、
    「ライブ映像」を渡したモノの…
    きちんと収録した作品を作りえていないこともあってですね。
    気合を入れて作らせていただきました。

    とは言え…
    古いビデオ映像(音源がこれしかない)を見ながらの起こし作業でしたのでねぇ。
    かなり時間がかかってしまいましたが、無事に完成いたしました。

    そして、先日。
    この出来上がった作品をCDへ収録して、再び奥様のもとを訪ねます。
    呼び鈴を押して出てきたのが…
    「ヤツ」にそっくりな男性。
    一瞬「ヤツ」が出てきたのかと思ったほど…w

    そう。
    あの時生まれた赤ちゃん…。
    曲中に出てくる「キミの影法師」です。
    もう20歳だったんですよ。
    立派な大人になっておりました。

    母子で出来上がった、この作品を聴いておりました。
    当時のライブビデオも引っ張り出して…まさかの聴き比べがw
    「すげぇ!
     全くおんなじ!!
     おっちゃん、すげぇ!」
    褒められちゃいましたww

    奥様からも…
    「皆さんがこの曲を覚えてくれている限り…
     あの人の魂も生き続けていると思います。
     ホントにありがとう」
    とお言葉をいただきました。

    ホントね、この曲は思い入れがありすぎて話が尽きませんが。
    是非ともね。
    皆さん、この曲を聴いていただいて、
    記憶のどこかへ入れておいてください。

    「ヤツが生きていた」という証として。


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